腰椎椎間板ヘルニアと診断され、痛みが落ち着いてきた頃に多いのが「体幹を鍛えたほうがいいと聞いたけれど、何をどこまでやっていいか分からない」という不安です。理学療法士の視点から、回復期の体幹トレーニングで気をつけたいことを整理します。症状や時期には個人差があり、進め方は主治医や専門家に相談しながら決めることをおすすめします。
腰椎椎間板ヘルニアと体幹の関係
体幹の筋肉は、背骨を内側から支えるコルセットのような役割を持っています。お腹や背中の深い筋肉がうまく働くと、腰の一点に集中していた負担を全体に分散しやすくなります。
ヘルニアそのものを運動で「治す」ものではありませんが、体幹を含めたからだの使い方を整えることは、腰への負担をやわらげ、再発の予防を目指すうえでの土台になります。
急性期と回復期で「やること」は違う
強い痛みやしびれがある急性期は、無理に動かさず安静を優先する時期です。この時期にトレーニングを行うと逆効果になることもあるため、まずは医療機関の指示に従ってください。
痛みが落ち着いてくる回復期に入ってから、少しずつ動かす運動を取り入れていきます。「いつから・どこまで」を自己判断せず、主治医や専門家と相談しながら段階的に進めることが大切です。

体幹トレーニングで気をつけたい3つのこと
① 反らしすぎ・丸めすぎを避ける
腰を大きく反らせたり丸めたりする動きは、状態によっては負担になることがあります。背骨が自然に安定する「ニュートラル」な位置を保ったまま行うことを意識します。
② 呼吸を止めない
力むときに息を止めてしまうと、お腹の深い筋肉がうまく働きません。動作に合わせてゆっくり呼吸を続けることで、体幹が安定しやすくなります。
③ 痛みが出る動作は、その場で中止する
「痛みを我慢して続ける」のは禁物です。違和感や痛みが出たら、その種目はいったん中止し、無理のない範囲に戻します。
はじめは「動かさず支える」種目から
回復期の体幹トレーニングは、大きく動く種目よりも、まず「姿勢を支える」種目から始めるのが安心です。痛みのない範囲で、次のような運動から取り入れていきます。
- ドローイン(あおむけで軽くお腹をへこませ、その状態を保つ)
- ヒップリフト(あおむけでお尻をゆっくり持ち上げる/痛みのない高さで)
- 四つ這いでの、軽いバランス運動
- 椅子に座った姿勢を整える練習
専門家と一緒に進める意味
同じヘルニアでも、痛みの出方や動かしてよい範囲は人それぞれです。自己流で進めると、知らないうちに負担のかかる動きを繰り返してしまうこともあります。
BE FITでは、理学療法士がお身体の状態を評価し、いまの段階に合った体幹の使い方を一緒に確認します。無理なく続けられるよう、強度を調整しながら伴走します。
まとめ
ヘルニア後の体幹トレーニングは、時期の見極めと「反らしすぎ・丸めすぎを避ける」「呼吸を止めない」「痛みで中止する」の3点が要点です。まずは支える種目から、痛みのない範囲で。進め方は医療機関や専門家と相談しながら、あせらず段階的に進めていきましょう。

理学療法士・NSCA JAPAN 正会員
小崎 俊季


