「退院後もリハビリを続けたいのに、保険や制度の都合で通えなくなってしまった」。脳梗塞の後遺症や手術後の方から、よくうかがう声です。病院での勤務経験を持つ理学療法士の視点から、機能回復に向けたからだづくりの考え方を整理します。回復の経過には大きな個人差があり、必ず主治医と連携しながら進めることが前提です。
病院のリハビリを終えた「その後」の課題
入院中や外来でのリハビリには、保険制度上の期間や回数の区切りがあります。そのため、まだ運動を続けたい時期に、リハビリの場が途切れてしまう方は少なくありません。
医療機関以外で理学療法士が行うのは、保険診療としての「リハビリ」ではなく、自費のコンディショニングです。それでも、退院後のからだを動かし続ける場として、果たせる役割があると考えています。
機能回復で大切なのは「続けること」
からだの機能は、使わない時間が続くと少しずつ低下していきます。逆に、無理のない範囲で動かし続けることは、いまの状態を保ち、できることを少しずつ広げていくうえでの土台になります。
大きな変化を急ぐのではなく、その人のペースで「続けられる形」を見つけることが何より大切です。変化や回復の度合いには、大きな個人差があります。

脳梗塞後遺症のあるからだと向き合うとき
左右差を踏まえて、無理に動かさない
麻痺のある側を無理に動かそうとすると、かえって別の部位に負担がかかることがあります。動かしやすい側の力も活かしながら、全身のバランスを見て進めていきます。
「転ばないからだ」という視点
後遺症のある方にとって、転倒は大きなリスクです。立つ・座る・歩くといった日常動作の安定や、バランスを保つ力に目を向けることも、機能回復の大切な一部です。
術後のからだづくりで意識したいこと
手術後は、痛みやこわばり、筋力の低下が残ることがあります。傷や関節の状態に配慮しながら、動かしてよい範囲を主治医に確認したうえで、少しずつ動かしていきます。
あせって負荷を上げるよりも、正しい動き方を取り戻すことを優先します。日常生活で困っている動作から逆算してメニューを考えると、回復が生活に結びつきやすくなります。
医療機関と連携しながら、無理なく
BE FITでは、医療機関での勤務経験をもとに、お身体の状態をていねいに評価し、いまできることから一緒に組み立てます。ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も歓迎します。
「自分の足で出かけたい」「もう一度、やりたいことをやれるからだに」。そんな目標に向けて、退院後の一歩を支える場でありたいと考えています。
まとめ
病院のリハビリを終えた後も、無理のない範囲でからだを動かし続けることには意味があります。脳梗塞後遺症では左右差と転倒予防、術後では動かしてよい範囲の確認が要点です。回復には個人差があるため、必ず主治医と連携し、あせらず「続けられる形」を見つけていきましょう。

理学療法士・NSCA JAPAN 正会員
小崎 俊季


